今日ご紹介するのは山形市小白川にある老舗の和洋菓子店峰月堂(ほうげつどう)さん。
店名は勇壮とした蔵王の峰々から名付けられたそうです。


本件は今春に完成していたのですが、
コロナウイルス感染拡大の影響もあり
メイン販路であったぐっど山形(山形県観光物産館)での販売が一時中止となり
ブログでのご紹介も遅くなりました。


同社は地域に住まわれる中高年を中心に和洋菓子全般を展開され、
前述のとおり土産物店等にも一部商品を卸されています。

一方、山形県は果樹王国で、
土産物店には多種多様な果物を使った菓子類が所狭しと並びます。

加えて山形市は和洋菓子の消費量が全国でも上位
和洋菓子店の店舗数も多く、常にライバルが多い環境にあります。

そんなこともあり、
「やまがた紅玉りんごパイ」も売上が鈍化傾向にありました。

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土産物店の店頭でも競合商品に埋もれてしまっている状況もあり、
状況を変えたいとご相談が進みました。

紅玉りんごパイの味(美味しさ)については食べた人により評価に揺らぎがあります。
従って、ただ「美味しい」や「絶品」といった表現
何も特徴がないと言っているのと同じと考えます。

一方、ただ奇を狙ったり、店頭で目立てば良いという発想だけでは
仮に手に取ってもらえても食べてみようとまでは思われない
可能性があります。

味や形状といった中身を一切変えずにどう流れを変えるか。
試行錯誤が始まりました。

数多とあるりんごパイの中で「やまがた紅玉りんごパイ」の特徴は何か。
どういったシーンで食べて頂くのがベストなのか。

相談を進める中で、
実際に食べたお客様から紅茶と合う」意見が多いことが判明。

そこで、この特徴をさらに掘り下げ
峰月堂さんから「お客様への提案」を商品に加えることをアドバイス。

突き詰めていくと、

電子レンジで1分程度温めるとりんごとバターの香りが引き立ち甘味が増す

ほろ苦い紅茶と一緒に頂くとよりおいしくなる。

「紅玉」(りんごの品種)+「りんごパイ」(一般名詞)の商品名では
一切伝わらない特徴があるりんごパイであることが見えてきました。

そこで従来のパッケージ案の見直しに着手。

「ただ何となくコレで良いのでは?」といった根拠なきデザイン案の決定を避けるため、
ターゲットとこのりんごパイを食べて頂くシーンを想い描き、印刷会社に依頼をしデザイン案を作成。
実際に一般生活者にアンケートを数回行い方向性を固めました。

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加えて「おいしい紅茶に添えたいお菓子」と定義し直し、
パッケージの側面には「おいしさが2割増す食べ方」も新たに加えました。

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これまでのデザインと並べるとずいぶんとあか抜けたような気がします。
(左)従来(右)リニューアル後

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土産物店の店頭では赤色のパッケージが多いようですが、
白ベースで上品なデザインに生まれ変わり、
さらに明確なオススメの食べ方提案も加わったことで売上も↑↑↑傾向に。


ぜひ、ご自宅でほろ苦い紅茶と一緒にアフタヌーンティーなどでお召し上がり頂きたいです。



企業や商品・サービスには必ず強みがある。

峰月堂さんでは次の新しい挑戦も始まっています。

Y-bizでは引き続き事業者さんの前向きな挑戦をサポートして参ります。


山形の菓子処 峰月堂
山形市小白川町3丁目7−39
TEL 023(622)9361
http://www.hogetsudo.com/